しあわせになる勇気-本当に勇気!

数年前、岸見一郎著『嫌われる勇気』に続いて、『幸せになる勇気』という本がヒットしました。
ちょうどその頃、しあわせになるには勇気がいる・・・、という言説に出会う機会が多く、またこの逆説的な表現は何だろう?と思っていたのです。

考えてみれば、しあわせになるのには勇気が要ります。
私はトラウマ、という言葉をあまり好んでは使わないのですが、仮にトラウマがあったとして、そのトラウマを乗り越えた方がしあわせになることは決まっています。けれど、トラウマを乗り越えるのには相当の労力もいるし、かなり苦しい作業になると思います。
だから、現状維持の方が楽です。

これって、起業もそうです。
よく、何かしたい・・・、とおっしゃる方がいらっしゃいますが、では、実行される方が全員か?というと、いろいろ大変だしねー、とかで、結局何もしない方も多いと思います。
起業してよかったな、と思うことは、正直宮仕えに合わない私(たぶん、教育という分野には異常に熱が入り、やり過ぎてしまうきらいがあるのでしょう。)にとっては、自由度が高く、何より、自分に合わせて時間が使える、ということが大きいな、と思うし、正直、私は自分でやるというのが一番合ってたな、と思います。

でも、まるで、起業するかしないかをくじ引きするみたいに決めてしまいました。
今の教室を3軒目に見て、気に入った後で、もし、デスクなどの備品を販売しておられる会社が、まだ開いておられたら、決めよう!そうでなかったら、やめよう!というくらいのことが決め手でした。
でも、いずれ起業しなければ、自分が教壇に立ち続けることはできないな、と薄々感じていたので、これで良かった、と思っています。

もちろん、起業していなければしないだろう大変なこともありましたが、起業したからこそできた経験や出会いもありました。

先日、ビジネス系列のある方ー大阪大学の宇宙物理学科だったのに、その学科は途中ででなくなってしまって・・・、という方なのですが、その方が、起業について話しておられました。
起業は絶対一人でやるべきだ。
ぼくも2つ会社つぶしてんだよねー。
いや、儲かってないうちはいいのよ。
儲かり出してからが揉める。
一人でやるのは不安だから、友達としようと思うわけよ。
でもさあ・・・。
知ってる人なんて、同級生でめっちゃ仲良くて、その二人、裁判までいっちゃったからね。
めちゃくちゃ仲良かったんやで(関東出身なのに、何気にここだけ大阪弁?まあ、本社は大阪だし?(笑))。
などとおっしゃっていました。
これ、わかり過ぎるくらいわかる。
教育的信念、という面でも、複数人いると、なかなか難しくなってきます。

如何にその勇気を出せるか?
ということにしあわせは掛かっているのかもしれません。

不安をいかに自分で背負いきれるか?
その度合いにおいて幸せになれるのだとしたら、たしかに幸せになるには勇気が必要とも言えます。