ある年のクリスマス・・・。
今から息子と北海道に行ってきます・・・、とおっしゃった、塾生のおじさま。
なぜにおじさまか?ということは、ちょっと置いといて、思い切り羨ましかった。
札幌のクリスマスは、24日か25日のどちらかはホワイトクリスマスなんだよー、とタクシーの運転手さんに教えてもらったことがあったけれど、ちょうど子育て真っ最中だったし、いろいろ出来事も多かったので、札幌にいた頃のことは、よく思い出す。
そのときは小樽に・・・、とおっしゃっていらした。
思いきりロマンチック。
いいな、いいな、いいな、と思っていた。
私たちが北海道を訪れるなんて、いったいいつになることやら。
絶対に帰ってきます!と言ってから早20年が過ぎていた。
ところが、ぼんやり思っていたら、その翌年に、アッサリと札幌に行く機会ができてしまった。
いや、遊びに行ったわけではない。
でも、本当にあっさり、飛行機とホテルをセットで頼んで、ついでにスタッフにも一緒に行く?と訊ねていた。
私はいつもこんなところがある。
長年、思っていて、無理だと思い込んでいたら、やってみたら、わりとあっさりできてしまった、ということ。
絶対にそうはならない、と思い込んでいた、というような。
それに札幌時代の友人は遊びに来てくれていたりしたのに、絶対に無理!とどうして思い込んでいたのだろうか?
最近、札幌にいた人とよく出会う。
土地の話ができるので、楽しい。
別に大阪のどこかの話や東京の話など面白くはないけど、札幌だと、どこかまだそうそう都会だとばかり言いきれないところが私は情緒があって好きである。
行ってみたら、まだ、私はその場所に住んでいるような気がするほどに変わっていなかった。
そのまま住んでしまいそうな感じだった。
ただ、そのとき、人生とは・・・?ということで実感したことがあった。
この実感は、かなり重かった。
その一か月前に、私は、その、札幌に行くことになったきっかけになった人を、思い切りからかっていたのである。
新幹線を逆走した人、と言って。
何度言っても落ち込まないので、イライラしていたのに、今度は、千歳空港から飛行機に乗るときに、時間を間違えて、私は、飛行機に乗り遅れたのである。
気付いたときにはもう、飛行機のドアが閉められているというときのことだった。
その生は、私が飛行場で呆然としているときに、フェイスブックで、何か対談をしておられた。
もうはや大阪に帰ったんだな、と憎らしかった。
私はなんと新千歳空港で、ホテルに泊まることになった。
慣れ親しんだ千歳。
娘がバトンの発表会などでお世話になったことのある千歳。
なんとも生活感満載の場所に、しかもどこにご飯を食べに行く気にもならなくて、前日に買った六花亭のお土産用のレモンケーキを食べていた。
千歳と札幌は、ほぼ50分かかるので、次の日のことを考えると、また札幌に帰る元気はなかったのである。
電車の中で、かつて少しの間指導に出掛けていた高校の生徒に会った。
私、まるでまだここに住んでるみたい・・・、と思った話をタクシーの運転手さんに話したら、北海道に合ってるんだろうね!と言われた。
どこに行っても、ここが合ってるんだろうね・・・、と言われる話はしないでおいた。
因果応報説。
私はとことん信じます!