もうずいぶん前に予約していたコンサートに行ってきた。
一緒に行くはずだった母は入院中で、しかも私は、特別な理由で付き添っていたので(絶対にそうしなければならない、というのではなくて、できたらそうしてもらえますか?ということだった。)、病院から抜け出し、コンサートに行き、病院に戻るということをした。
予約してあったし、欠席することもできないし、ということで生徒さんと行ってきた。
彼女も吹奏楽をやっていて、音楽が大好きだし・・・。
冬期講習までのほんのしばしのホッとする時間だった。
バイオリンとチェロとピアノの演奏だった。
ドレスを纏った若い女性は、見ているだけでも美しく、夢見心地にしてくれる。
演目は、クラシックもポピュラーソングも馴染みのばかりで(クラシックは教室でよく聴いている曲もあった。)、それぞれに懐かしい思い出のある曲で、その思い出のあった時期を懐かしく思い出していた。
中でも「時代」は、まぎれもなく中島みゆきの「時代」なのだけれど、私にとっては薬師丸ひろ子の「時代」である。
薬師丸ひろ子さんとは本当に同世代で、青春時代の思い出と重なる曲が多い。
ある時、大好きな「探偵物語」とテレビで観ていたとき、ああ、この仕草とか雰囲気、娘に似ている、と思った。
そんな話を当時の同僚に話したら、先生、生き方は薬師丸ひろ子に似てると思いますよ!と言われた。
要するに、あんなに可愛らしくも美しくもないということだろう・・・、と思っていたけど、その同僚の言っていることもわかるような気もする。薬師丸ひろ子さんの価値観って、どこかわかるような気がするから。
ご自身のことを都会の田舎育ち、と言っていらしたとか・・・。反対だったかな?
東京の青山に育ち、たくさん芸能界の人を見てきて、自分にはぜったに似合わない、と思っていたらしいし。
お友達と泳ぎに行ったときに、水着の相談をしていて、スクール水着でいいじゃない?と言ったとかいう話は、久米宏さんを驚かせていた場面をしっかり覚えているし、私も同じようなことを言いそうなので、覚えている。
だから、ひろ子ちゃん、大好きなのだろうし。
あんな可愛くて美しくて知的な女性のことがわかる、などと言っていいのかどうかわからないけど。
かつて、「ミセス・シンデレラ」で主演をされていて、そのときに相手役の内野聖陽が好きになったのだけれど、大抵、大好きな俳優さんにはその後裏切られ、大っ嫌いになる。女性を泣かせる男性は嫌い。
当時は、なんでも内野が動くと女性が動く、と言われたらしい。あの知的な感じ。確かにねえ。
でも、主演の薬師丸ひろ子の方が素敵だった。
薬師丸ひろ子演じるみずほが、夫のもとへと帰るという成り行きも好きだった。
みずほの産んだ子供が光の子どもであることを示唆する場面もあるのに、それをすべて許して呑み込んで、夫の泰之が包み込んで迎え入れ、また家族としてやっていく・・・、という決着も好きだった。
私はテーマ曲にのめり込み、札幌の大通のヤマハで楽譜を手に入れ、あれこれ演奏のアレンジをした。
そののめり込み方から、周りからは変な疑いを掛けられるほど、その曲にのめり込んでいた。
富山に帰って来てからも、ホーム・パーティなどで披露するときにはこの曲も入っていた。
帰って来てからのめっていたのは、「タイタニック」のテーマだった。
この曲は、聞いたことがなかったので、完全に自分の思いで弾いていた。
何にも知らない人が聴けば、それなりに聴いてくれることの方が不思議だったけど、今でも私を見ると、ほかのことよりも、ピアノで思い出してくださる方も多い。
ここらあたりで、ちゃんとクラシックの曲も練習しろよ!とツッコミを入れたくなるような流れではあるが、それもしていますって!
いっとき、バイオリン弾きたい・・・、と言っていたけれど、新しい楽器に手を出すよりは、ピアノをちゃんと練習する方がいいな、と思っている。そのために教室に置いてあるのだし。そういえば、疲れたら、気分転換に教師席からピアノまで・・・、ということがあまりなくなってきたな・・・、と思っている。
毎日少しずつでもいいから弾いておかなければ、指が全く動かなくなるのは時間の問題だしな・・・。
それにしても、俳優さんの恋愛事情を私たちの耳に入れるのはやめてくれないかな。
聞いて嬉しいものではないし、夢は壊れるし・・・。
渡辺謙も、出始めの時から私は大好きだったのに、不倫ばかりで離婚するし、内野さんも然り。
そんなの聞かせないで、どこかでそっとやって。
お家のことはお家で。
何だったら裁判に持って行っても、私達には聞かせないでくれないかしらん?と思うのは、身勝手なファン心理というものかしらん?
私には関係ないやん!
一女性としては、にっくき男の人たち、ということになるけど、夫婦の間は、他人にはわからないこともあるから・・・。
奥さんの乳がん治療の間に不倫してた、とか、俳優業においてプロ意識が強くて、とか言うけど、そんなこと、本当のことはわからないし、実際真実などというものはいくつでもあるものだし。
ただ、相談してくださった方のお気持ちや事情には徹底的に寄り添います。
が、しかし、政治家でも俳優さんでも、聞きたくないことを聞きたくないのは、私が甘いのかしら?
件の同僚が言っていた。
男と女なんて、何を読んでる、どんな曲を聴いてる、どんな車に乗ってる・・・、とかいうようなことは全く関係なく好きになるときは好きになるんだ・・・。
文学部出身の彼は、ときにそこまでよく考えますね・・・、というくらいに面白いことを言い出す人なのだけれど、私が嫌いになれない人は、自分と全く価値観の違う人だったので、その不思議について語り合っていたのだった。
あまり使わない占いを、その不思議さのためだけに使ってみたら、波長も合ってる、相性もいい、と言われて、なんでやねん!とちょっとがっかりしながらその結果を聞いていた。
別に何かアクションを起こすというようなたぐいの話ではなかったけど、たぶん、気が合っている、というのが嬉しくなかったのだろうと思っている。今もそうだし。(笑)
気が合ってもいないかな?
自分なんて、人を通してしか、どういう人間なのかはわからない。
だから、どういう人といて気持ちが楽か?どういう人に好かれるか?などということを手掛かりに自分と出会っていくのだろうと思う。
どうも、私は呑気なところがあるようで。
でも、自分に厳しい人がどちらかと言うと好ましく、一緒に仕事をしていても楽である。
私は仕事だけは妥協したくない面が昔からあって、教育に関してだけは、譲れないのよねえ、と周りから言われてきた。
ほかのことは結構どうでもいいし、妥協だってできるし。
そんなに教育にのめっているとも思っていなかった。
いろんな人と出会う。
そして、その姿への思いから、自分という人間と出会い直す。
ときに意外な自分がいて戸惑う。
関係性が相対的なものだからかもしれない。