自由の定義ー結構自由は難しいことだけれど。

自由とは?
親や親族と離れて自由に生きたいという若者の話を聞いて、思わず言ったことがあった。
自由なんてそんなに簡単なものではないと思うけど・・・。

正直自由ほど大変なものはないと思う。
自由は不自由か?と思えるほどに。

何かのシステムの中に入っている方が入っていないよりも楽に生きていける。
でも、システムの中に入り込んでしまうと、窮屈になる。

まるで漱石先生の『草枕』の冒頭
知に働けば角が立つ。情に棹させば流される。兎角この世は生きにくい。
という一節が思い出される。

では、自由とは何だろうか?
若いころの経験から私は考えたことがある。
自由な都会から、人間関係の濃密な地方に来たせいかもしれない。

私の考える自由は、あれこれしがらみがあったり、制約があったりする中での精神的な自由である。
嫌な人がいても、それをどうにか考え方で、そのことに囚われずにやっていく力である。
誰かがいるから、誰かが嫌なことを言うから、あるいは嫌いだから、自分のするべきことがお留守になるような自分ではなく、その人との付き合い方を決めていくのは自分で、付き合わないことを決めるのも自分。
つまりは主体的で、誰かの影響はもちろんあっても、自分で決めていく。自己決定権のある自由。
つまりは法の不知は保護しない、というくらいに自分で動かなければその利益も享受できないくらい主体的なものだと思う。
誰が何もしないで、利益を与えてくれるだろうか?
誰が責任も果たさずに権利だけを主張して生きていくことができるだろうか?

今一度自由さというものの性質を考えてみたい。

freedomではなくて、libertyが表現するところの自由を。
物理的ではなくて、精神的な自由を。

そして哲学も法律もすべてがどこかで一致するものって、出てくるような気がする。
すべては折り合いではあるというものの。