わりと過去にあったこともたくさん覚えているタイプだと思うのですが、今日の合格発表があり、何を思ったかというと、
ああ、入ってしまったから、これから大変になるから、この春のうちに○○をやっておかなければならない、ということでした。
バス待ちの間の新高1の生徒が、教師席の前で数学の勉強をしていました。
今日から勉強もねえ・・・、と言いながら、それでも、これからやらんなん!とばかりに、
何か持って来てる?
と訊ねたら、先日の春期講習の時間の数学のプリントができていなかったのを持って来ているということで、それを解き始めていました。
私の頭は、未来に向かっています。
中間考査でとりあえずそこそこの成績を取っておかなければ、その後の高校生活が楽しいものでなくなってしまわないか?とそちらの方を気にしています。
しばらくして、彼女がぼつぼつ話し出しました。
お友達が違う学校を受験していたのだけれど、その子が昨夜ブルーになっていたので、自分もブルーになってしまって・・・、とのことでした。
ふと思いました。
もしかしたら、私は受験後の合格ばかりに目が言って、それまでの気持ちを受け止めてあげられていなかったのかな、と。
人の気持ちに敏感な顔をしていながら(実際、生徒は私のことを、どんな小さな変化も気付いてくれる、と言ってくれたりします。)、彼女の気持ちをスルーして、前にばかり向かっていたのではないか?
もちろん、その気持ちはあまり受け留めない方がいいこともあるのです。
淡々と合格という現実と向き合うことの方が大事なこともあるのです。
なぜかと言うと、合格に目が言って、その先のことに目が向かなければよくないからです。
合格の報告に来た生徒さんにそれぞれのアドバイスをしました。
あまりに努力を重ねてきた生徒には、この春は、いったんお休みしなさい。勉強はほどほどに。
ずっとスポーツをしてきた生徒には、
あなたはこの春も勉強を続けなさい。サボってはダメよ。入ってから大変だからね。
天才肌の生徒には、二人してふざけていました。
掛ける言葉もそれぞれです。
彼女が合格を報告に来てくれた時には、思わず叫んでしまいました。
今年の受験は、彼女を合格に導くことが最大使命でもあったのです。
なんとかここで成功体験をしてほしい。逃げないで、乗り切ってほしい。
能力のある生徒さんなだけに、挑戦もしないで帰ってきてほしくはなかったのです。
だから、あまり、頑張ったね、とかよくやった、とかで片付けられなかったのだと思います。
これからまだまだ挑戦していかなければならないのだから。